- 【2022年】本流エリアでの渓流釣り解説 タックル・釣り方・シーズン特徴 投稿日 2022年3月3日 16:30:44 (TSURINEWS)
いよいよ渓流釣りが開幕する。解禁初期は上流の渓流での釣りがメインになることが多いが、本流だってもちろん狙える。今回は本流釣りのタックルや釣り方といった基本と、初期から終盤まで、季節ごとに移り変わる狙い場や特徴を紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 松森渉)
本流釣りの魅力
本流釣りの魅力は、やはり大物に出会えること。支流ではなかなかお目にかかれない良型が長ザオを絞ってくれる。
魚体もサビが取れたきれいな渓魚で、スリリングな引きが楽しめる。そして時期によっては数釣りも楽しめる。支流の数釣りとはひと味違った達成感がある。
タックル
本流釣りの基本的なタックルを紹介しよう。
サオ
サオは数用と大物用と使い分けた方が釣果は上がる。また季節ごとに釣れるエリアも違うので、サオの長さも変えた方がいい。数釣り用は6~7mの硬調タイプで、硬過ぎず軟らか過ぎずがベスト。大物釣り用は8~10mの硬調タイプ。
ただし50cmを超えるような渓魚を狙う際は、もっと硬いサオでないと対応できないので、狙うサイズや河川によって合わせていこう。長さは川幅によって使い分ける。
イト
天上イトは0.5~1.2号のフロロカーボンラインかナイロンライン。サオの調子によって硬ければナイロンラインを選択して伸びが出るようにする。それ以外の調子ならフロロカーボンラインを選択する。水中イトは基本フロロカーボンライン0.15~1号。狙う河川やサイズによって使い分ける。
そして第4のフロロカーボンライン調渓流ラインがあるが、細イトにも関わらず強度は優れており比重もフロロカーボンラインより重いので沈みが良い。流れが速く深い本流域では頼りになるラインだ。
オモリ
オモリはゴム張りタイプか、オモリ自体にゴムのコーティングが施してあるものが使いやすい。オモリの脱着がしやすくチャンスを逃さない。号数はB~5Bを1~3個付けるが、場合によってはさらに付け足すこともある。
ハリ
「ハリは魚との唯一の接点」なので仕掛けの中で一番気を使う。エサによってハリの種類は変える。カワムシならカッパ極3~6号、忍ヤマメ4~7号、カッパマタギ3~7号。ミミズならきじ鈎6~8号、サクラマススペシャル8~11号。アマゴ半スレヒネリ8~8.5号、V2ヤマメ3~9号と使い分けている。
エサ
本流釣りのエサは、初期はカワムシメイン。キンパク、ヒラタから始まりオニチョロ、クロカワムシに変わっていく。カワムシは時期が来れば羽化していなくなるので、それからはミミズメインとなる。
ミミズにもいろいろある。天然ミミズは釣具店が牛舎などで掘ってくるまさしく天然ミミズ。そして釣り具量販店でよく売っているのが養殖されたミミズ。そしてミミズの太さも通常サイズや特大サイズのドバミミズ。
ミミズの長さも長いミミズもいれば短いミミズもいる。天然ミミズが手に入れば一番扱いやすいと思う。
釣り方
釣り方は通常の渓流釣りの延長のようなもので、サオが長くなった分振り込みが多少やりにくい。サオの持ち方は片手持ちだと疲れてしまうので、両手持ちが基本。サオ先をブラさず目印を安定させる。支流域との大きな違いは、水量が多く流れが速いこと。
仕掛けがうまく流れにナジまないと、渓魚の元までエサを持っていけない。オモリを支流域よりも重くして対応する。もちろん重すぎてもエサは自然に近い状態で流れないので、最初はオモリを重くして川底をしっかりキープすることに専念し慣れてきたら適正な重さに調整する。言うが易しだが、こればかりは経験で覚えていくしかない。
本流は支流よりポイントが絞りにくい。支流のように下流から上流へ釣り上るスタイルでは、時間がいくらあっても足りない。効率よく攻めるにはある程度ポイントを絞り、そのポイントだけエサを流し釣れなかったらすぐ車で移動する。ルアーマンがその攻め方をよくしているが、エサ釣りでも一緒だ。
しかしこれだけは言える。本流では河川工事などで大きく地形が変わらない限り、釣れるポイントは大きく変わらない。つまり毎年同じポイントや着き場で本流魚が釣れるということだ。
もちろん本流は渓流ほど魚影が濃くないので、先行者や前日に釣られてしまっては、本流魚に出会えないことはしばしばある。ただ一度釣れたポイントや着き場は来年も釣れる確率が高いので、忘れずに覚えておきたい。
季節ごとに移り変わる本流釣り
本流釣りの様相は季節ごとに移り変わる。
2月
渓流は早い漁協では2月に解禁する。しかし解禁初期は支流がメインステージとなり、本流ではいても口を使ってくれないことがほとんどだ。しかし暖冬の影響や、暖かい日が何日も続けば釣れることもある。釣れるとしたら、エン堤下や橋の橋脚周りの深みがある緩い流れで、同じ流れで何匹も釣れることがある。エサはキンパクが釣れた経験がある。
3月
3月に入っても本流の最盛期にはほど遠い状況だが、本流上流域で釣れだすことはある。特に支流が多く流れ込んでいる上流域は有望で、そもそも魚影が濃いことが多い。本流で数を釣るなら上流域を狙うのは鉄則でもある。しかしやはり3月は気温が安定しない。三寒四温の状況で、釣れる日と釣れない日がハッキリしている。釣れる流れは大石裏やエン堤周りの深み。支流の合流点付近だ。
4月
梅の花が散り、桜が咲き始めて散りだすまでが本流の数釣り最盛期になる。渓魚の活性は高く、今まで釣れなった本流の下流域でも釣れだす。しかし釣り人も一気に増えるので、渓魚がスレるのも早い。それでも渓魚の活性は基本高いので、釣り方や狙うポイント、エサの選択で釣果に差が出るのもこの時期。
狙う流れはズバリ瀬。今まで釣れなかった速い流れに渓魚はいる。逆に緩い流れでは外道のウグイが釣れだす。エサはヒラタと呼ばれる大石にへばり付いているカワムシで、4月にヒラタにかなうエサはない。
5月
GWが明けると、渓魚は一気にスレて数が伸びなくなる。そして数釣りから大物釣りに切り替わるのもこの時期。本流の大淵やエン堤下で長ザオを振る。そして海からの遡上魚も釣れ始めるのもこの時期。遡上魚に関しては海から遡上してくるので、当然本流下流域から釣れ始める。
釣れるポイントは日ごとに変わり、ポイント選択がシーズンで一番難しい。5月に入っても数釣りが可能な河川はある。山間部の川だ。山間部の川はそもそも釣れだすのが遅いので、他の川が釣れなくなったころがちょうど良くなる。
エサはキンパクは羽化していなくなり、ヒラタも少なくなる。代わりにオニチョロを代用する。または現地でクロカワムシを採取して使う。ミミズもこの時期から使い始める。
6月~7月
アユが始まる時期になると、本流で渓魚を狙う人はグッと少なる。本流大物釣り師の大半が6月からが本当のシーズンインなる。しかし本流には多くのアユ釣り師がいるので、狙うポイントや時間帯は限られてくる。
時間帯は当然朝一、薄暗い内から午前9時ごろまでが時合いになる。ポイントはこの時期も5月と一緒で、魚が動きやすい時期なのでポイント選択は難しい。
遡上魚に関しては本流上流部に遡上していくので、上流域から中流域に絞られてくる。梅雨の時期の大水後は特にチャンスで、渓魚の活性は一時的に上がる。各河川の地元釣り師で朝一だけ大物を狙う人も多い。エサはミミズがメイン。
8月
8月の真夏の時期は渓魚が一番釣れない時期。朝から気温水温ともに高く、渓魚の活性自体が低い。それでも狙うなら本流上流域の大エン堤や大淵で、朝一のワンチャンにかけるしかない。しかしお盆明けに気温が下がるときがある。そんなときはチャンスで、一時的に食いが良くなることがある。
9月
9月いっぱいで渓流釣りは禁漁。漁協によっては9月上旬で禁漁期間に入る。最後に大物を釣り上げて有終の美を飾りたいと思う釣り師も多い。9月といっても気温はまだ高く、水温も高い日が多い。できるだけ水温が低い本流上流域での釣りになる。エン堤下や大淵を狙うのは鉄板だが、少し魚が動くときでもあるので、エン堤下や大淵に連結する瀬や小淵、トロ場も狙ってみるといい。エサはミミズメイン。
注意点
最後に本流釣りの注意点をいくつか述べたい。まずは駐車スペース。地元の人に迷惑をかけては駐車できる場所もできなくなる。これは川に限ってことではない。また駐車スペースにゴミを捨てるのもNG。釣り具のパッケージなどが釣り場に落ちていると、同じ釣り人として心が痛い。
そして釣行の際は、コロナ対策も忘れずに。安全第一で楽しい釣りをしてほしい。
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