- 渓流釣りの3種のエリア『源流・中流・本流』 各々の特徴と攻略法を解説 投稿日 2022年3月4日 11:30:34 (TSURINEWS)
渓流釣りを始めるにあたって、知っておきたい知識はいろいろある。今回はそんな中から、源流域・中流域・本流域など、渓流の釣り場選択について解説しよう。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース西部版APC・津曲隼丞)
渓流釣りのスタイル
渓流釣りには、エサ、ルアー、フライ、テンカラ釣りがある。ルアーでは、好みのルアーで駆け引き、ピンスポットに投入して、追ってくるヤマメをどう食わせるか?
フライやテンカラでは、水面に浮く毛バリに、ヤマメが水面に割って飛びつく姿はスリリングである。近年始めたテンカラ釣りは、日本伝統釣法でシンプルなタックルであり、いつでも手軽にヤマメと遊べる釣法でもある。
そうした中でも、エサ釣りは、リールを頼らないサオと本物のエサで獲物と対峙する。数釣りが望め、ヤマメの強い引きを心行くまで楽しめる釣法だ。

ヤマメ釣りは難しいイメージもあるが、コツをつかめば容易に釣ることができる。それは、ヤマメが多く生息している実績ある河川で釣ること。また、警戒心の強い魚だから、悟られないように近づき、自然の生きたエサで仕掛けを自然に流せば、簡単に釣ることができる。したがって、ヤマメ・アマゴ釣りは、一に場所、二にアプローチ(悟られない)、三にエサ、四に技の順だろう。
初河川は放流個体のをチェック
主要河川放流状況一覧に記載されている河川が、一般的に、有名河川といわれている銘川だ。
近年は、豪雨などの気象やカワウの被害などにより、魚影のムラもあるが、釣果も期待できる実績河川でもある。しかしながら、初めての河川では、どこで釣ればよいか分からない場合がある。どこの漁協も重点的に放流している濃密河川や区域があるはずだから、一度漁協に問い合わせてみるのもよいだろう。
また、稚魚放流なのか成魚放流なのかによっても違う。稚魚は一般的に春から初夏に放流され、天然ヤマメに近い状態で生育していくことから、魚体も美しく釣りがいもある。しかしながら、解禁では15~20cm程度の小型が多く、洪水やカワウの被害にも遭いやすく、生存率も低い。時には、昨年放流した場所なのに全く魚影がないことさえある。
一方の成魚放流は、養殖魚だけあって、尾ビレは丸く、魚体の色見にも艶やかさがなく、明らかに天然ヤマメとは別物。釣りやすくて多くが解禁直後に釣られてしまう。主に災害の受けにくい秋~解禁前に放流されるので、カワウ被害を除けば、生存率が高く、解禁から20~27cmの良型の数釣りが楽しめる。
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3つのエリアに大別
ひと言で渓流と言っても釣るエリアは非常に広い。ハヤやアユの生息する本流域や里川などの中流域から、天然ヤマメを求めて滝や高巻きなどの遡行技術を駆使しながら、ひと跨ぎできるような源流域まで。渓流釣り場は、およそ3つのエリアに分けることができる。
ヤマメの生息している河川の指標としては、水源の山が標高1000m以上で、ブナ林も自生している水系であり、夏季でも水温20度以下に保たれている流域としている。このような河川は、大抵ヤマメが生息している。
源流域
流れの源に近い流域。多くが山岳渓流であり、時に釣り場まで1時間以上歩き、深い谷底に滑り落ちるようにして入渓する。また、遡行は、滝や淵を高巻いたり直登したり沢登りの要素も高い健脚向き。同時に危険と隣り合わせであり、単独釣行は禁物。一度入渓すると脱渓も厳しく終日の釣りになる。事前の準備をしっかり行い余裕をもった釣行をしたい。

サオは3.8~4.5mまでのズームロッドを使用し、滝つぼ・堰堤用に6mもリュックに携行する。流下するエサには、何でも反応するためにこだわりはないので、携帯性のよいブドウ虫やミミズを使用している。
源流域は、漁協からのヤマメ放流もなく、在来種の天然ヤマメがひっそりと生息している。しかし、苦労して遡行した源流域はヤマメの楽園だったということがある。しかし、貴重な魚なので、釣れた天然ヤマメをすべて持ち帰ると魚が枯れてしまう。従ってキャッチ&リリースも取り入れ、資源保護も兼ねながら釣りを楽しみたい。

パーマークも小判型で色濃い魚体で美しい。熊本県球磨川水系では「マダラ」と呼び親しまれ、ゴマ状の黒点が腹部までビッシリとあり、昆虫類を彷彿させる。一方の宮崎県側は「エノハ」と呼ばれ、黒点が少なくシンプル。
一般渓流域
比較的道路から渓流まで高低差も少なく、漁協等からのヤマメの稚魚放流も盛んで、渓流釣りの核心部ともいえるだろう。よって、魚影も濃く、初心者にもお勧めの流域でもある。
木々が身近に迫り、森が美しく、特に新緑の時期の釣りは、森林浴をしながらの釣りが楽しめる。適度な落差もあり、淵・瀬が続く。

サオは、5mをメインに堰堤・滝つぼ用に6mも携行している。
魚影は濃いが、常に釣り人にも叩かれているのでスレヤマメも多い。エサは、水の澄んでいる時は、川虫もしくはブドウ虫を、濁りが入った場合にはミミズを使っている。
エサを流して、魚影が多く走り、目印が弾かれたりする場合は、学習してエサに対して警戒心を抱いている証拠なので、エサの種類を複数用意するか、川虫に替えるか、脱渓を考えるか工夫していかなくてはならないだろう。
開けた渓流域・里川
開けた渓流域や里川は、流れの傾斜も緩み、淵・瀬ともに規模も大きく水量も豊富。日当たりもよく水温は初期でも高めで、サビの少ない銀ピカのヤマメが釣れる。よって、川虫も豊富であり、ヤマメも20cmクラスの良型が多い。
また、道路沿いで傾斜もなだらかな流域であり、初心者向けの釣りやすい釣り場が多い。その分、さまざまな釣法で連日攻められているのでスレた気難しい魚も多い。

頭上の木々も少なくて6~7mクラスのサオがのびのびと振れる。渓流釣りでは、先行者後の釣りは釣りづらいが、ヤマメのストックも豊富であることから、先行者後でも工夫次第で釣果が得られやすい。 主にゴールデンウイークごろまでの釣り場だろう。その後は、田畑の取水で減水したり、水温上昇で雨後の釣りになる。
特に5月以降、渇水が長く続き、久しく増水した時や高活性となり良型の数釣りが楽しめる。また、下流にダムを持つ河川は、サクラマス化した大型も遡上してくるので狙いめだ。
エサは、里川などのやや濁りの入っている河川ではクロカワ虫、透明度のある河川ではヒラコの食いがよく感じる。初期のエサでもあるキンパクはどこの水系でも通用する。初夏の雨後はミミズを積極的に使う。
本流域
川幅が10m以上で、水量・水深ともにあり、流れの押しも強い。その太い流れに立ち込み、8mクラスの長竿で大物を狙う。九州では、特に五ヶ瀬川、耳川、川辺川は面白い。流れの層も、通常は3層の場合が多い中、本流は5層もあり複雑。大ヤマメが生息する5層目の底波へいかにして仕掛けを入れられるかが釣果のカギを握る。

それにはオモリの使い方が重要。ガン玉は3B~4Bがメイン。オモリがなじまないと判断すれば、躊躇なくオモリを1個追加して2個で対応。尺ヤマメに備えて水中イトも0.25号以上の太仕掛けで挑む。

九州の本流釣りは、解禁日から始まり、特に桜の咲く季節からゴールデンウイークまでと梅雨以降の増水時期はチャンス。エサは、春だと川虫のクロカワ虫を中心にキンパク、梅雨以降だとミミズが有効。
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