- 【2022年】渓流釣り基本装備を解説 安全&快適な釣りは釣果にも直結? 投稿日 2022年3月5日 11:30:34 (TSURINEWS)
渓流釣りを始めるにあたって覚えておきたいことはいろいろあるが、今回は渓流釣りの基本的な装備について解説しよう。しっかりした装備は安全&快適な釣りにつながり、最終的には釣果につながる重要ポイントだ。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース西部版APC・津曲隼丞)
渓流釣りの対象魚
ヤマメ(山女魚)は、サケ科サクラマスの陸封型。サケ科とあって、体側に「パーマーク」と呼ばれる楕円状の美しい斑紋が確認できる。他魚よりも非常に警戒心が高く、一度アワセミスをすると簡単には食いつかず、傷ついたエサを見抜く抜群の学習能力を持つ。また、一度掛かった時の突進速度は非常に魅力的であり、力尽きるまで抵抗する様は釣り師を魅了してやまない。
大分県側に生息するアマゴ(雨子)は、サケ科サツキマスの陸封型で、ヤマメと似た魚体であるが、体側に朱点が散りばめられ、宝石のような大変美しい魚体である。また、ヤマメよりもやや流速のあるエリアを好むとされている。
渓流釣りのマナー
渓流釣りは、下流から上流側に釣り歩く(遡行)。これは、渓流魚(以後は渓魚)が上流側に頭を向けてエサを捕食しているためであり、下流側から渓魚に近づいた方が、渓魚の死角となって悟られにくいからだ。
渓流釣り師は、いつもこれを常に念頭に入れながら釣りをしている。したがって原則、上流から下流側に釣り下ることのないように注意してほしい。
また、釣り師が釣りをしているエリアには立ち入らないように心掛けたい。もしも、釣り場で出会った場合は先行者が釣り優先であるので、後行者はあいさつをして場所替えなどを検討しなければならない。
解禁日などのお祭りは致し方ないが、平常時に先行者がいた場合は少なくても1km程度は空けてから入渓しよう。
渓流ザオ
まずは渓流釣りをやってみたいという人には、5000円前後で安価な渓流ザオが販売されている。一般的な渓流で釣る場合では5mクラスの硬調が扱いやすいだろう。予算に余裕があれば川幅に合わせて選んでいきたい。リールがない分、サオの調子の良し悪しが釣果にも影響しやすい。
川幅によってサオの長さを使い分ける。水量豊富で頭上空間の十分ある本流域では8~9m、里川や開けた渓流の中流域では6.5~7mの中硬または胴調子、一般渓流域で5~6mの硬調、山岳渓流や源流域では硬調や超硬調の4mクラスを多用し、硬いサオで確実にフッキングさせる。滝や堰堤では6mクラスも携行する。
エサ箱
保冷の効くステンレス製が使いやすくメインに愛用している。保存用に水苔を入れている。
気温の上がる夏季は、ヒラコも弱りが早いので桐箱を使用して対応している。
クロカワ虫は、通気性の良い竹編み製の方が持ちもよく、中にはヨモギを多く揉んで入れておく。また、意外かもしれないが、時々水流に浸しておくと長持ちする。
ベスト
(1)遊漁券
(2)ハリケース
(3)天井イトケース
(4)オモリケース
(5)仕掛けイトケース
(6)8の字結び器
(7)オマツリほどき(ニードル)
(8)ハサミ
(9)フォーセップ&ガン玉外し
(10)ナイフ
(11)メジャー
(12)仕掛け巻き
(13)目印
現在は、アユ用のベストを渓流釣りでも共用している。収納か所が多く、事前に巻いた仕掛けのケースやハリ、オモリなど一式を各ポケットに収納している。また、立ち込んでも浸水しにくいショートタイプを愛用している。
その他の装備
渓流釣りのその他の装備を確認しよう。
帽子
釣り用は、つばが長く強い日差しにも対応している。熱中症やケガ防止の観点からも必携。
偏光サングラス
偏光サングラスを掛けて、仕掛けに取り付けた小さな目印を常に追いながらアタリを確認しなければならない。また、水面下の状態が分かるので、底石の有無や水深の目測など、いち早く情報を得ることができる。
さらには、草薮を漕ぐ場合や紫外線による目の保護になるので必須アイテム。
レインウェア
渓流という環境で釣るので、常に水にぬれやすい状況になる。ぬれて体を冷やすとモチベーションも下がってしまう。特に肌寒い春先は上着に防水や撥水性のあるレインウェアを着用するようにしている。渓流釣り用は通常のレインウェアよりも短く、川に立ち込んでもぬれにくい。突然の風雨に対応できるようにフード付きの防水・透湿性のあるウェアを選びたい。
グローブ
渓流釣りは山歩きを兼ね、時には高巻きなど手を付くケースが多いので、手の保護のためにも着用したい。また、春先はネオプレーン製が手先の冷えを抑えてくれる。5本指が出るタイプが使いやすいだろう。リリースする際に素手で魚体を触ると魚が火傷を負い弱るので保護の観点でも着用している。
フォーセップ
魚がのみ込み、ハリが簡単に外れない場合が多いので必須。手返し良く外すためにはフライで使われる小型のフォーセップが重宝する。個人的には専用ハリ外し器よりも扱いやすい。ペンチの要領でハリ軸をつまんで一度奥に押し込んでから手前に引き抜くと簡単に外れ、魚のダメージを少なくする。
ハサミ・ガン玉外し・オマツリほどき(ニードル)
ゴム張りはともかく、ガン玉は素手では取れないのでガン玉外しは必携。また、細イトを多用する渓流釣りはイトが絡みやすい。ニードルに似たオマツリほどきの専用器具があると解消できる。
タモ
源流・渓流用には25cm、開けた渓流・本流用に28~30cmの渓流用タモを使用している。
エンドロープ
タモの流出防止となる。
魚籠(ビク)
開けた渓流域や本流ではリリースも多く取り入れているので、アユ用の引き舟で魚を活かして、ゲーム感覚で釣果を楽しんでいる。
高巻きなど必要とする一般渓流~源流域では持ち帰り用に保冷しておくためのクーラータイプのビクを使う。保冷材よりも砕いた氷が新鮮に保存できる。
ウェーダー
渓流を快適に釣り歩くためには防水のウェーダーが必須になる。川を渡渉することが多いので、水の侵入を防ぐためにも胸まであるチェストハイがお勧め(転倒時、水の侵入防止のため腰にベルトを着用すること)。
本流釣りや水温の低い春は保温性や水抵抗を軽減できるネオプレーン製のフィットスリムウェーダー+アユタビのスタイルをお勧めする。
暑くなる初夏からはチェストハイウェーダーを中心に、源流域では速乾性のトレッキングパンツ+フェルトシューズの沢登りスタイルで積極的にぬれるスタイルの方が快適だ。
遊漁券(証)
ヤマメ・アマゴの生息する河川のほとんどが漁業組合の管轄になっており、増殖の維持は、その漁協による放流により多くが維持されている。釣りを行う場合は釣果に関わらず、あらかじめ遊漁券を購入する必要がある。
遊漁証不携帯・禁漁期間(主に10月1日~2月末日)・全長(主に15cm以下リリース)などルールが定められており、違反すると罰則対象となるので注意したい。詳しくは各漁協へ問い合わせてほしい。
近年はインターネットで遊漁券購入も可能な漁協も増えてきている。多くの漁協の遊漁券がネット購入できれば、渓流釣りへの敷居も低くなることだろう。
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