- 伝統釣法『船テンヤマダコ釣り』の魅力10選 初心者でも大型率高し? 投稿日 2022年9月23日 11:30:09 (TSURINEWS)
先日妻と浦安の船宿から乗合船でマダコを釣りに行ってきた。数年前とは違い、私達2人以外は全ての釣り人がエギを使用したタックルで驚いた。最近は初心者もエギから入門することが多いようだが、ここでは独断と偏見で手釣りでのテンヤの10個のポイントとしての魅力を伝えたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター藤倉聡)
テンヤ(手釣り)の釣り方 東京湾
タックルは基本的には木枠に渋イト、それと接続器具に先イトとテンヤのみと言った至ってシンプルなものだ。
カニエサの付け方
テンヤへのエサの付け方は、ハリからカニをなるべく離して腹を上にしてがっちりと縛り付ける。
ここで重要な事はエサのカニがグラグラしない事。
釣り方
エサのセッティングが終わったら船長の合図を待ってエサを底まで落として小突くだけ。カニが乗るまでひたすら小突く。怪我防止のために指サックも着用しよう。小突きは1秒間に2回程度だが、このリズムはあまり気にしなくても良い。テンヤを底から浮かせないことがポイントになる。
アタリとアワセ方
タコが乗るとジワーっと重くなってくるが早アワセは禁物。そのまま20回程度小突き続けているとさらに重くなるので、そうしたら海面まで手を伸ばして大きくアワセを入れて手繰ってくる。ハリにはカエシがないので、決してイトを緩めないように気を付けよう。
取り込み方
取込みはそのまま抜き上げるか、大型ならタモのアシストを要請したい。釣り上げたタコを手繰ったイトの上に置くと手前マツリの原因になるので気を付けること。
妻視点のテンヤタコ釣り魅力
すっかいテンヤでのタコ釣りの虜になった妻に、その魅力を聞いてみた。
トラディショナルな釣り方
近年の釣りは何かにつけてルアーやエギなどの疑似餌ブームのきらいがある。東京湾のマダコ釣りに関しても例外ではない。数年前までは手釣りでのテンヤが主流だったのがいつの間にか形勢は逆転。エギの釣り人が圧倒的多数を占めている。そんな中、昔ながらの手釣りでのテンヤも可能だ。今では少なくなったがイカやアジの手釣りや手ビシのような玄人好みの渋さに特に魅了されたようだ。
エサ釣りで簡単
また妻は「大きなカニを縛り付けて釣るのが、ザリガニ釣りに似ていて楽しい」と感じたらしい。確かにザリガニ釣りもスルメなどのエサをイトに結んで落とし込んで釣るので、とても似ていると思う。そして、ザリガニ釣り同様小難しいテクニックも不要だ。
良型のヒット率の高さ
相対的にテンヤの方が、大型が掛かる率が高いと言われている。妻は「数より型」を狙いたいと言って、テンヤに魅力を感じていた。
初心者でも違和感を覚えやすい
手釣りの特徴として、初心者でも竿やリールを介さないことから、指先にダイレクトに違和感を覚えることができることも魅力の一つだ。高価なタックルに依存することなく感度は100%自分の指先。初挑戦の妻でも容易に乗りを感じることができたと言っていた。
指に伝わる乗りの感触
イトを張ったり緩めたりしてテンヤを小突いてタコが乗ると、まるで濡れ雑巾や重めのゴムが引っ掛かったような感触が指先に伝わってくる。これがあまり他の対象魚では味わえない、タコ独特の感触だ。
また、タコが乗った時と根掛かりやタナの変化などで重くなった時の違和感の違いを指先で感じ取れるようになってくると、楽しさも倍増することと思われる。
初心者にもおすすめな理由
上記の魅力に加えて、筆者が感じるテンヤの魅力も付け加えておこう。
手軽さ
まずは何といっても竿やリールを使用しない手軽さが挙げられる。タックルも基本的にはレンタルが主流なので、荷物も少なくて済み前日急に釣りに行きたくなってもクーラーボックスと指サックのみで気軽に行けるのが魅力的。
ベテランの中には自作のテンヤを使用する人もいるが、こちらも基本的には市販品で充分。レンタルなので帰宅後の手入れも不要なので楽ちんだ。
難しいベイトリールを使わない
現在タコ釣りで主流のエギを使用した釣り方の場合、リールはパワーのあるベイトリールを使用するのが一般的だ。しかし、このベイトリールは初心者には扱いが少々難しい。特にキャスト時に慣れていないとバックラッシュ(イトがらみ)することもよくある。その点リールを使用しないテンヤでの手釣りはそのような心配は皆無で、初心者に優しい釣り方である。
ダイナミックなアワセ
タコが完全にテンヤに乗ったと思ったら、海面近くまで手を伸ばした後思いっきり頭上に向けて「これでもか」という位に大アワセ!このようなアワセをする釣りは他にあまりない気がする。まさに手釣りのテンヤならではのアワセ。そして、タコが掛かった時に指先に感じるズシっとした感触がやみつきだ。
運7割り腕3割り
昔からテンヤのマダコ釣りはビギナーズラックが起こることが多いと言われている。運7割り腕3割りとも言われており、胴の間(船の座席で真ん中辺)の初心者が竿頭なんてこともよくあること。
筆者はテクニカルな釣り物の代表格なカワハギやタチウオ釣りも好きだが、「運」頼みのマダコ釣りもまるで宝くじの様で凄く楽しいと思っている。
人の行く裏に道にあり花の山
現在乗合船ではエギの釣り人が多い。だからこそ、他の釣り人達とは釣り方の違うテンヤで狙えば一人爆釣なんてこともありあえるかもしれない。
筆者は長く投資の世界に携わってきている中で、よく耳にする格言に「人の行く裏に道あり花の山」というものがある。これは「マーケット(株式市場)で利益を得るには、多勢とは逆の行動をとるべし」という意味だが、釣りにも置きかえることができる気がしてならない。
まとめ
子供の時のタコ釣りのイメージは「ブルブル」と言ったアタリがある訳でもなく、掛かってからも「グングン」と引くわけでもなさそうなので 全く興味が湧かなかった。しかし実際やってみるとテンヤのマダコ釣りは独特の釣趣で魅力が沢山あった。是非エギだけではなくトラディショナルな手釣りのテンヤにもチャレンジして頂きたい。きっとその魅力にハマるはず!
<藤倉聡/TSURINEWSライター>
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