- 和歌山でタチウオシーズン開幕 水軒一文字で夜明け帯に7匹の釣果 投稿日 2022年9月25日 17:00:49 (TSURINEWS)
秋は釣りのトップシーズン。青物と並ぶ人気のターゲットのタチウオが、和歌山県では一足早く釣れだした。早速水軒一文字に釣行した結果、短時間で7匹の釣果を得て、2022年秋シーズンは上々の滑り出しとなったのでリポートしたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター伴野慶幸)
大阪湾のタチウオ動向
昔、かつてお世話になった沖防波堤の渡船店の船長から「大阪湾のタチウオは、淡路島沖からと和歌山県沖からの、2つの方向から群れがやってくる。船釣りが先に始まるが、その年によってベイトが湾奥に入ってくるか否かで、波止や岸壁からのタチウオの釣果も左右される」という説を聞いたことがあった。
神戸市が管轄する沖防波堤は残念ながら現在立入禁止になってしまったが、かつて教わったその説を糧に私は和歌山県紀北の釣り場の釣果情報に注目を続けていた。すると8月の終わりごろから、水軒一文字に渡す水軒渡船のホームページに、タチウオの釣果が登場し始め、9月に入ると徐々に釣果が伸びていった。大阪湾でのシーズンインを待てない私は、このタイミングで釣行するのが吉と、釣行を決めた。
水軒渡船は深夜未明に満員札止め
釣行日は9月10日。遠路はるばる車を走らせ、深夜に和歌山県内入りし、エサの調達と情報収集を兼ねて、途中釣りエサ店のマルニシ本店(和歌山県和歌山市湊3001)に立ち寄る。店内にはタチウオの数釣りの写真が貼られていて、スタッフは「この辺りではみんなタチウオ釣りばかりで、青物狙いの人はマリーナシティより南に行くようですよ」と話していた。
現地では確実にシーズンインしているとプラスに理解しつつ、車が水軒渡船の駐車場に着いたのは深夜1時30分ごろ。釣り人の車は既に7割ほど埋まっていて、出船を待ちきれない常連たちは早くも受付台の前に姿を見せている。これは始発便の繰り上げ出船は確実だと判断し、クーラーやバッカンが置かれた列の最後尾に私もクーラーを一つ置いた。
2時40分に駐車場は満車となり、おかみさんは入口封鎖を宣言。始発便は4時30分という基本の営業案内に関係なく、乗船場は満員札止めとなった。おかみさんの「たくさん釣れますように」との海神様への祈りの声を聞きながら、私の乗った始発便は3時過ぎに繰り上げ出船した。
なお、水軒一文字と渡船の受付方法などの詳細は、以前の投稿「関西の沖波止紹介【水軒一文字】 乗船時の注意点と新・旧波止の特徴」で紹介しているので、まだご覧になっていない方はそちらも参考にご覧いただきたい。
釣り場とタックル
水軒一文字は旧波止と新波止の2つの波止の総称で、位置関係や船着場などは略図を参照いただきたい。
今回は人気の新波止をあえて回避して、旧波止を選択。おかみさんの勧めに従って7番の船着場で下船。タチウオ狙いのタックルは7.6ftのシーバスロッドにスピニングリールの組み合わせだが、ルアー門外漢の私の釣り方はタチウオテンヤの引き釣りスタイルなので、2.3mのルアー竿にミチイト4号、ワイヤーリーダー介してのMサイズのタチウオテンヤの組み合わせといったほうが、エサ釣りの人にはわかりやすいだろう。
夜行性のタチウオの視覚にアピールするように、ワイヤーリーダーの少し上にケミホタル75をセットする。私のオリジナルの部分としては、Mサイズのタチウオテンヤだと軽いので遠投があまり効かない欠点を補うために、蛍光塗料が塗られているナス型オモリ2号を足している。
テンヤに巻き付けるエサは定番のドジョウ。ワイヤーで巻き付ける時は、尾の部分がヒラヒラし、余らせて付けることがポイントだ。実際、当日もドジョウの尾が食いちぎられており、ドジョウの尾の部分の残し方によって、ある程度釣果に影響するようだ。
旧波止で沖向きに釣りスタート
準備が整い、3時30分ごろからタチウオテンヤの引き釣りを開始する。旧波止ではテトラの上から沖向きにキャスティングする。できる限り遠投し、ゆっくりとリールを巻いて手前に寄せていく。ルアーの釣り方と違って、タチウオテンヤの引き釣りは、頻繁で大きなアクションは必要ない。ただ巻きを基本として。たまに竿先を小さく鋭くピッ、ピッと揺さぶって、海中のテンヤを小さく震わせるだけでよい。そこがルアーには無い、生のドジョウの強みだ。
しかし一方で、テンヤを引くタナは確実につかむ必要があり、間違えると丸ボウズに終わりかねない。実は私もこの日、序盤はタナ取りに苦戦した。タナが分からず、表層、上層、中層、底近くとかえて試してはみたが、タチウオの反応は感じられず、周りの釣り人は早々と釣果を拾い始めたのに対し、私一人が大きく出遅れてしまった。
1匹目は指2本サイズ
当日は大潮で5時20分ごろに満潮となり、その後は下げ潮になる。夜明けまでは釣果が大いに期待できるはずだが、なぜか自分だけ反応がない。
ルアーでしか釣れないのか?モヤモヤ感が募っていくが、その答えは偶然見つかった。テトラ手前で急にググッと重くなり、偶然掛った1匹目は指2本サイズの小型。物足りなさを感じながらクーラーの中に収めたが、同時に頭の中で「水深の浅いテトラ手前で小型がアタックしてきたということは、タナは上層」という答えを弾き出せた。
タナを絞って追釣り
タナを上層に絞ると、小さな個体でもテンヤにアタックしてくる感覚が捉えやすくなった。「遠投→着水したら即ピッ、ピッのアクション→イトのたるみをとってから上層を維持してゆっくり引く→ググッときたら大きく煽ってフッキング」のパターンが完璧にハマって、2匹目、3匹目と釣果を重ね始めた。
タチウオの活性は高く、アタリは数多いが、個体も小さいので全てをフッキングさせることはできない。それでもテンヤの引き釣りの楽しさは十分に満喫でき、朝5時30分の夜明けまでの約2時間で、指3本サイズ4匹を含む7匹を捕獲することができた。
カゴ釣りは不発
夜が明けてからは名物の平鯵(ひらあじ)や大サバ狙いのカゴ釣りに転じた。カゴ釣りは内向き(陸向き)の低く狭い所に釣り座を構え、超遠投する釣り方だが、活況のタチウオの群れとは相反して、平鯵も大サバも回遊状況が悪く、さらに旧波止は新波止よりも釣果が劣る釣り場ということもあって、常連をもってしても苦戦。私も釣果はなく10時に納竿。最終釣果は夜明けまでのタチウオ7匹止まりとなり、10時30分の迎えの便で波止を後にした。
型はいまいち
船着場に戻ると「指3本は4匹でした」とおかみさんに釣果を報告。この日は大半の釣り人がタチウオの釣果を手にしていたが、数釣りの割にサイズは全体的に小さく、船長が「指2.5本とかも、報告はいらんでえ」とニヤりと笑って釣り人をイジる和やかな一幕もあった。帰宅後は釣果のタチウオを塩焼きにして賞味。身は薄くとも味は絶品だった。
<伴野慶幸/TSURINEWSライター>
水軒渡船
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