- 3ケタ釣果が狙える『船キス釣り』入門解説 ビギナーに最適&やり込み要素も 投稿日 2021年8月29日 11:30:48 (TSURINEWS)
キスはパールピンクの美しい魚体と、小さな体に似合わない強烈なアタリで、釣り人を魅了するターゲット。今回はそんなキスの船からの釣りについて紹介する。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 出口和弘)
船キス釣りタックル
キスは海の女王と呼ばれ、パールピンクの美しい魚体と小さな体に似合わない強烈なアタリで、釣り人をとりこにする入門にも最適な魚だ。6月の盛期以来、各地で1束(100匹)超えの情報が聞かれるが、真剣に取り組むと実に奥深い釣りだと気づくことになる。
釣り方を紹介する前に、まずはタックルを紹介しよう。
サオ
サオは長さ1.8~2.1mの先調子7対3~8対2調子のルアーロッドかキス専用ザオで、10~20号のオモリを投げることができるサオが望ましい。
リール&ライン
リールは2000~3000番のスピニングリールに、PEライン0.8~1号、またはフロロカーボンライン3号を巻いたものを使用する。
特にレバーブレーキ付きのリールは、投入時のイトの垂らしの長さを逆転レバーの切り換えなしに任意の長さで位置合わせができる上、キスの前アタリが出た場合に、指を離すだけでイトを送り込める。フリーにしてキスの引きに任せて食い込ませ、取り込み時はレバーを引いて巻き取ることで重宝している。
船キス釣りのテンビン
テンビンは弓型(半月型)の10~15cmが基本。弓型のバネ効果は、食ったときの反動でのアワセ効果も期待できる。またアタリ感度にこだわるなら、遊動中通しタイプがお勧めだ。
ミチイトとテンビンの接続は直接ミチイトを結ばずに、必ずスナップ付きサルカンを使用する。スピニングリールはイトにヨリがかかるので、使い続けているとキンクが生じてミチイトの破断が起きる。このトラブル防止と、テンビンの交換もワンタッチで行える必須アイテムだ。
船キス釣りの仕掛け
ハリについてだが、初期の小型、のみ込み重視なら7号、盛期の良型落ちギスとなれば、すっぽ抜けのない8~9号が主体となる。良型が潜む海藻類の繁茂したポイントや磯際を狙う場合には、根掛かりの少ない胴つき仕掛けを準備しておきたい。
船キス釣りのエサ
イシゴカイ、アオイソメが主流となる。エサ箱の底は海水で湿らせ、エサの水分を取られないよう留意したい。エサ箱は生かしておくものと、滑り止め石粉を入れた小出しにエサ付けするものを分けておきたいため、二段構造のものが便利だ。
ぬるぬる滑ってエサ付けに難儀してのタイムロスを避けるため、石粉は必須だが一度に石粉をまぶすと石粉がエサの水分を吸って縮んでしまうので、使うだけ数匹ずつ取り出して行なうのが望ましい。
ハリに刺すときは、ハリの軸のチモトが隠れるまでしごき上げて、垂らしは2~3cmで切ってハリ先は出しておく。エサの先だけをくわえて食い逃げされても、軸に残ったエサに食いつくので面倒でもやっておこう。
活性が悪いときにアピールを高めるためや、良型狙いで丸ごと1匹付けも、状況次第で実行している。
船キス釣り釣果UPポイント
(1)手返しを早くすること。
(2)仕掛けを上下させ、キスに誘いをかけること。
(3)ハリをのまれた場合、ハリ外しを使わずにハリを外す。
以上3点に留意するだけで、時間短縮とキスのハリ掛かりが向上して釣果に違いが出るので解説したい。
手返しを早くする
仕掛け絡みを減らすことが第一。絡ませない方法は、キャストしてイトを張った状況で着底を確認したら仕掛けが落ちてきてテンビンにかぶる前に、素早くサオでイトの緩みを取るか、リールをひと巻きして仕掛けを伸ばす。船下に投入する場合は、仕掛けを水中でなびかせて反対側にオモリを投入して、絡みなく落下していく状態を目で確認する。
仕掛けの投入は危険防止のため、必ずアンダーキャストで行うこと。万一周囲の釣り人の衣服や体に引っ掛けた場合は、せっかくの楽しい釣りが台無しとなってしまうのでこれは徹底したい。
積極的に誘いを掛ける
キャスト後、速めのずる引きでフグやメゴチを避ける。仕掛けを止めると、ゲストに食われてしまうことが多い。キスは速巻きでも、追いかけて食ってくる。海底をたたいて砂煙を起こすことをイメージし、サオを2~3回上下して食い込む間をおく。これを連続して繰り返す。
時には大きくサオをあおって、ゆっくりエサが落としていく誘いが有効な場合があるが、どの誘いが効果を発揮するかは状況により選択したい。
アタリを捉えたら、サオ先を30cmほど下げるかミチイトを少しずつ出して仕掛けを止め、2回目のアタリでアワせるようにする。あるいは大きくサオを横にずらして聞きアワせてみれば、ハリ掛かりしていることが多い。
また早アワセは禁物。空振りが多くなる。最初のブルブル、コツコツから次の本アタリまで待つと、もう1匹のキスが食いついて、ダブルで釣れる確率が向上する。のみ込まれることが多くなるが、釣れてなんぼの世界なので確実にハリ掛かりさせることが大事だ。
ハリをのまれたときの外し方
キスの腹側から親指、中指でエラをつかみ、ハリスをグリグリ回して引き抜く。それでも外れないときは、エラの下から口先方向にハサミで切り開いて外す。見かけは良くないが、頭の部分は食べることがないので問題はない。
ハリ外しは金具の先からハリスを入れ、引っ張りながらハリの軸を押し込めば外れる。一見便利そうな道具だが、金属のエッジ部分で細いハリスが傷つき、ハリスが切れやすくなるのでお勧めできない。
キスを鮮度良く持ち帰るには
キスなどの小魚は、氷締めして持ち帰るのがベストだ。釣り場に着いたら、まず海水氷を作る。飲料水なども同時に冷やすことができる。
クーラーは投入口付きのものが便利。釣れたキスをそのままクーラーへ投入することができる。また長時間バケツに放置しないこと。冷やすことは食中毒予防にもなるので、氷は十分な量を持参したい。
これからは落ちギスシーズン
ここに記載した以外にも、現場での気づいたことや新たな発見なども多くあり、非常に奥深い釣りだと感じている。
これから落ちギスのシーズンに突入する。キスたちは産卵を終えて、深場に落ちる前に体力をつけるために荒食いする。良型の爆釣が体験できるのはこれからなので、ぜひトライしていただきたい。10月ごろまでがシーズンとなる。
また陸に近い浅場の船釣りといえど、ライフジャケットの着用は義務づけられているので、必ず着用するようにしよう。また絶対に海にゴミを捨てない、食べない魚は速やかにリリースするなど、最低限のマナーを守ってこの楽しい釣りを満喫していただきたい。
<週刊つりニュース中部版 出口和弘/TSURINEWS編>
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