- 三重・四日市港でのアジングでメタボアジ好捕 頻繁なワーム交換が奏功 投稿日 2022年11月25日 11:30:31 (TSURINEWS)
近年大人気のアジング。メバリングと双璧をなすライトゲームのカテゴリーだ。今回はベイエリアのアジングを徹底解剖するべく、一宮の釣具店カリプソのスタッフの松尾尚恭さんに同行し、晩秋のテクニカルゲームに密着した。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 編集部)
四日市港でアジング釣行
今年は伊勢湾奥のベイエリアはアジの当たり年のようで、ここ最近は連日好釣果が聞こえてくる。さまざまな場所で楽しめるアジングだが、身近な湾奥の好調ぶりはうれしい限り。
11月4日の午後4時、向かったのは三重県四日市市の四日市港だ。現地に到着したのは、まだ周囲が明るい午後4時ごろ。すでに松尾さんは到着しており、あいさつを交わして話を聞くと、前日も四日市港を訪れているとのこと。あまり活性は高くなかったが、2人で15~16匹ほどキャッチしたようだ。
この日も前日と同じポイントにエントリー。目の前に台船が停泊しており、暗くなるとその台船から照明が照らされて絶好の明暗を作るのだそうだ。
ただこの日は北西からの強風が吹きつけ、かなり釣りづらいであろうことが予想された。また潮回りは午後9時半ごろが干潮で、この時点ですでに潮が下げ始めている。さて、どうなるか……。
ベイエリアのポイントの特徴
ここで松尾さんに四日市港のポイントについて聞いてみた。四日市港に限らず工業港は、タンカーなどの大型船が接岸するため、足元から水深のある岸壁が多い。当日のポイントは足元で水深が6~7mほどだったが、場所によっては10mを超える所もある。
したがってキャストして横に引いてくるイメージが強いアジングだが、急深なポイントでは縦の釣りを展開することが多いのだそうだ。
タックル
今回松尾さんが用意したタックルは2セット。1つはジグヘッド単体用(以後・ジグ単)に、極細のエステルラインを巻いたエリアトラウト用ロッド。もう1つはPEラインを巻いたメバリングロッド。もちろんアジング専用ロッドがあればベストだが、なくても他のロッドでも十分代用はできる。
アジングにおいて、最も重要視されるのが感度だ。この感度だけでいえば、PEラインに勝るものはないが、浮力が邪魔をしてフォール速度が落ち、またすぐにルアーが浮き上がってしまうというデメリットがある。
そこで重宝されるのが浮力が少ないエステルラインだ。極限まで細くしたエステルラインは、フロロカーボンラインよりも伸び率が低く感度という面では非常に優れている。
ではPEラインを巻いたセットは何に使うのか。それは強風対策としてのダウンショット用だ。軽いルアーならネックとなるPEラインの浮力だが、重めのシンカーを使うリグならそのメリットは存分に生かすことができるわけだ。
他ロッドの流用も可能
今回松尾さんが使用したタックルだが、専用のアジングロッドではない。だがエリアロッドやメバリングロッドでも十分代用は可能だ。その条件として、必ずティップが柔らかいものを使うこと。
高弾性のティップだとアジが違和感を覚えてすぐに離してしまうから……というのも理由の1つだが、最大の理由はもたれるアタリが取れないから、だそうだ。
今回はフォール中のコンッというアタリが多かったが、ジグ単でシェイキングしながら巻いてくると、イカのようにティップがグーッともたれるアタリが出ることがある。これは視覚で捉えるアタリなので、硬いティップだとほとんど感知できなくなってしまうのだ。
この条件さえクリアできていれば、他のロッドの流用は可能といえるだろう。もちろん専用のそれがベストであることは間違いないだろうが。
また今回は風が強かったのでダウンショット用のロッドも用意したが、風がなければジグ単用の1本で十分。特にベイエリアで威力を発揮するエステルラインは必須アイテムといえる。
四日市港での基本スタイル
松尾さんの四日市港でのアジングの基本スタイルは、常夜灯周りを狙うことがほとんど。理由は勝負が早いからだという。だから小移動を繰り返すラン&ガンはほとんどしない。下手をすると、クーラーに座り込んで一見すると、エサ釣り?と思うような釣り姿のときもある。
イカ釣りと同じで、常夜灯があれば必ず群れの回遊ルートになっているし、1つの群れをかなりいじめても次々にフレッシュな群れが入ってくる。特に四日市港は常夜灯が少なく、その分光の効果が十分発揮される。下手に移動するよりも、1カ所でじっくり回遊待ちする方が、結果として好釣果に恵まれやすい。
暗くなってすぐに1匹目
釣り座の右側から強風が吹きつけるなか、松尾さんが最初に手にしたのはダウンショットリグ。まずは定番のボトム周辺を狙っていく。だが、風で水面の泡は風下に流れていくが、その下の潮は全く動いていない。強風で潮が動かず、さらに潮位も下がっていくという三重の悪条件だ。
周囲が暗くなってきた5時すぎ、「アタった」と松尾さん。回収するとワームがズレている。アジはいるようだ。だが後が続かない。ジグ単のタックルに持ち替え、岸壁と平行に風下へキャスト。ボトムまで落としてシェイキングしながら、ごくゆっくり誘う。だがやはり風が邪魔してアタリが遠い。
再びダウンショットに戻すと、ようやく1匹目がヒット。15cmほどのアジだが、よく太っている。時刻は6時を回っていた。
極太のアジ
現在釣れているアジは15~20cmが平均といったところだが、長さよりもその太さが特徴だ。体高があり、魚体の厚みもすごい。
何より金色の輝きが脂の乗りの良さを示している。食べても最高だそうで、聞いているだけでヨダレが出てきそうになるほど。
アクションとアワセ
ここでルアーの操作について聞いてみた。ダウンショットの場合は、ボトムでリフト&フォールが主流。シンカーがボトムに着いていてもワームは上にあるので、少しステイさせてアタリを待つ。潮が流れていれば、そのままでもワームがなびいて誘いになるが、この日は潮がなかったのでステイの時間はわずかだった。
ジグ単の場合は、水深があるので縦のアクションを意識する。細かくシェイキングを入れるのだが、リールのハンドルはごくゆっくり巻く。
アタリはどちらもコンッと手元にくることが多いという。アタリがあれば即アワセが基本。アジはエサを吸い込んで捕食する。ニセモノだと気づくとすぐ吐き出すので、その吐き出すまでの一瞬にアワセを入れなければならないのだ。
ジグヘッドの形状
アジング用のジグヘッドは、フックポイント(ハリ先)がオープンゲイブ(開いている)になっているものが多い。これはアジが異常を感じてワームを吐き出す際、オートマチックに口の内側にフッキングしてくれるためだ。即アワセとこのフックの形状が、アジングの基本といえよう。
ジグヘッドの重さは、この日は風が強かったので1.2gを使ったが、風がなければアンダー1gでもOK。むしろジグヘッドが軽いほどフォールスピードがゆっくりになり、アジにアピールする時間を多くとることができる。
風が弱まるとヒット連発
この日は目の前に台船があり、そこまでの距離は5mほど。探れる範囲は横には無限だが、前方向へは限られている。ましてや風が右から吹いていたので、キャストも左方向へと限られていた。
そんな風が若干弱まってきた7時前、風下方向へキャストしていた松尾さんのロッドが大きく絞り込まれる。ドラグを鳴らしながら抜き上げたのは、サイズアップの20cmオーバーだ。やはりこのサイズになると、見事な体高も相まってなかなかの迫力だ。
聞くと、岸壁と平行に風下へキャストし、ボトムからシャクり上げてからのカーブフォールでコンッときたとのこと。
さらに風が弱まってくると、松尾さんはジグヘッドを1gに変更。潮はどんどん下がっていくが、セイゴの後に3匹目のアジをキャッチ。やはりジグヘッドを軽くしたことで、反応が目に見えて良くなってきた。たった0.2gの差だが、これほど反応が違うのだ。やはりライトゲームは奥が深い……。
いつもより半分以下のアタリ
ここで週刊つりニュースAPCの浅井さんが登場。浅井さんにとって四日市港は庭のようなもの。あっという間に1匹目をヒット。岸壁際の底では、まずまずサイズのタケノコメバルも抜き上げた。
だが、潮回りは決して良くはない。浅井さんや松尾さんに言わせれば、この釣れっぷりはいつもの半分以下。潮が動いていればハリに掛かる掛からないは別にして、キャストするたびにアタリは出るらしい。
そして午後8時30分に終了。釣果は10匹弱といったところだが、この悪条件のなかでさすがといったところだろう。
ワームは頻繁にチェンジ
この日、途中で気づいたのだが、松尾さんはとにかく頻繁にワームを交換していた。聞くとアジに何色が効くというのは基本的にはない。だが、カラーを変えることによって目先を変えることができる。これが最も重要なポイントらしい。
ワームを変えた途端にアタリが出た……ということは、今まで何度もあったとのこと。そのためできるだけワームは形状も含め、できるだけ多くの種類を持っていた方がいいだろう。
年内いっぱいは楽しめる?
さてこの極上の金アジ、いつまで釣れるかは神のみぞ知るといった感じだ。回遊魚だけにいつ消えるか分からないが、浅井さんによれば昨年は12月いっぱいまでは釣れたらしい。さて今年はどうか。
水温の高さを考えれば、昨年同様まだまだ釣れ続きそうな感じもする。だが、できるだけ早めの釣行がお勧めだ。
<週刊つりニュース中部版 編集部/TSURINEWS編>
四日市港
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